焼酎を含むすべての蒸留酒の起源は、約2300年前の古代ギリシャに求めることができます。アリストテレスが使った実験用の蒸留器サラセン人の手によりヨーロッパ、アジアに運ばれたのです。
このギリシャで始まった蒸留法は、13、14世紀に穀物、椰子の樹液、糖蜜などを原料とした中国や朝鮮、東南アジアの蒸留法として伝わり、16世紀初頭、日本は大陸との交易が盛んになった時代に琉球や薩摩の領内に広く浸透し普及していったのです。
この頃の焼酎は米を主原料としていました。薩摩の島津公は焼酎を献上品として徳川将軍のもとに贈られ、後に幕府の要人たちにも贈られるようになり各地で焼酎の誕生を促進することとなりました。
しかし、当時の日本では、米作に適さない地域も数多くあり米焼酎を作ることのできない地域も多くあったようです。そこで考え出されたのが、各地域の特産物で作られるオリジナルの焼酎です。
ここ奄美では17世紀にさとうきびを主原料とした黒糖焼酎が誕生したのです。黒糖焼酎はこのさとうきびを加工してできる良質の黒糖と米こうじを混ぜて発酵させ、それを蒸留したものです。
ラム酒にも似たまろやかな旨味と他に類のない独特の香りが多くの方に親しまれています。
酒を飲むと太るなどとよく言われていますが、焼酎のカロリーは日本酒とウイスキーとの中間で栄養価はブランデーやウイスキーと同じようにまったくありませんし、日本酒やビールなどに含まれている糖分も入っておりません。
酒を飲んで頭が痛む、吐き気がする、心臓がドキドキするなどのいわゆる「悪酔い」の症状は、アルコールが体内で酸化されてできる「アセトアルデヒド」が原因です。
アルコールは肝臓でアルコール→アセトアルデヒド→酢酸→炭酸ガス+水というように体内で分解されます。
この時に分解がうまくいかずアセトアルデヒドが体内にたまると「悪酔い」の症状があわられます。焼酎はこの分解をスムーズにおこなうため「悪酔い」や「二日酔い」をしにくい酒といえるのです。
しかし飲み過ぎれば体に毒、やはりほろ酔い加減が一番ですね。
口当たりをやわらかくして飲みたいなら水割り、原料の持ち味、コクを楽しみたいならお湯割りをお勧めします。
黒糖焼酎のお湯割りは焼酎「6対お湯4」、またはの「5対5」がおいしく飲めます。まず先に湯を注ぎその後焼酎を注いでください。よく混ざり、グラスの中でお湯が適度に冷やされ、黒糖焼酎の風味が程よく味わえます。
水割りは氷がいっぱい入ったグラスに「焼酎9対水1」、または「8対2」。氷をゆっくり溶かしながらいただくと、黒糖焼酎の香りを存分に楽しんでいただけます。